忍者ブログ

なるにわ ぶろぐ

「なにものか」でなくともよい場所、なるにわのブログです。
なるにわの活動、づら研などについて
おもに、コーディネーターの山下耕平が書いてます。

© NPO法人フォロ

   

腐敗と発酵

話があちこち飛ぶうえ、再び菌の話で恐縮だが、「腐敗」と「発酵」のちがいについて、ちょっと思ったことがあったので。

腐敗と発酵というのは、いずれも微生物(細菌、酵母、カビなど)の分解作用のことを言うが、そのうち人間にとって有用なもののみを発酵というらしい。しかし、人間にとって有用とは何だろう? たとえば腐敗がなかったら、あらゆる動植物は分解されず、地球は死骸だらけになってしまう。腐敗こそ自然循環の要だ。小泉武夫さんによれば、石油も石炭も微生物の分解作用によってできたそうで、発酵を人間にとって有用な作用というなら、食品にかぎらず、大きく広げて考えないといけないという。それに、菌について99%はよくわかっていないらしく、1%くらいしか解明できていないという。まあ、微生物の分解作用のうち、そのごく一部を人間が利用させてもらっているにすぎないということだろう。

菌にかぎったことではないが、複雑系を生きている生き物を、人間の表面的な都合だけで悪玉にして敵対してしまうのは、浅知恵というものだろう。菌をやっつけるために抗生物質を使って耐性菌をつくってしまったり、害虫を駆除したつもりが生態系を破壊してしまったり、そんなことばかり、やっている。

もちろん、たとえばO-157を摂取したら大変なことになるわけで、どんな菌とも仲良くできるわけではない。しかし、それも固定的なものではないようだ。先に引いた青木皐(あおき・のぼる)さんによると、O-157というのは、今から30年ほど前に大腸菌が赤痢菌の遺伝子をなぜか取り込んで病原菌となったものだそうだ。菌が遺伝子レベルで変化すると、免疫が対応できず病原菌となる。しかし、免疫が追いついてしまうと、病原菌ではなくなったりする(だからワクチンが有効になる)。病原菌というのは、菌の側の変化と、免疫力の低下など人間側の変化と、双方の変化で生じるそうだ。パンデミックが怖れられているのは、物流や人の流れが世界を駆けめぐるなかで、いつどんな菌が遺伝子レベルで変化するかわからないからだ。どっちかというと、これは菌の側というより人間の側が引き起こしている問題だろう。

つまり、菌も、敵か味方かでは分けられない。ことはそう単純ではないのだ。

たとえば農業で病害を防ぐとき、農薬などで病原菌をやっつけるのではなく、ほかの菌を育て、「拮抗」することでバランスを保つほうがよいそうだ。あるいは先にも書いたが、腸内には「悪玉菌」も「善玉菌」もいるが、「善玉菌」だけにすればいいというわけではなく、バランスが重要ということらしい。

たぶん、農業というのは、それ自体、自然のバランスを崩すことだから、バランスを取り戻す知恵が必要ということなんだと思う。同じことは人間にも言えるかもしれない。人間の存在のあり方自体が、自然のバランスから離れているのだから、どこかでバランスを取り戻す知恵が必要なのだろう。

yogurt2.jpg


ヨーグルト発酵中。自家製ヨーグルトって、ちゃんと乳酸発酵してくれてるのか、それとも雑菌が入っちゃって腐敗してるのか、わからないところがドキドキです。そういえば今日から『もやしもん』ドラマ版が始まるそうですね。


COMMENT

NAME
TITLE
MAIL(非公開)
URL
EMOJI
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
COMMENT
PASS(コメント編集に必須です)
SECRET
管理人のみ閲覧できます

Profile

HN:
なるにわ
HP:
性別:
非公開
自己紹介:
「なにものか」でなくともよい場所、なるにわ(NPO法人フォロが開いてます)。毎週土曜日の午後にサロンを開いているほか、づら研(生きづらさからの当事者研究会/月に1回)、終末ティータイム、冊子『もじにわ』刊行、なるにわラジオ配信などの活動をしています。ブログは、おもにコーディネーターの山下耕平が書いています。

Twitter

ブログ内検索

カレンダー

09 2017/10 11
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

最新コメント

[04/06 鳥居]
[02/08 みやすけ]
[01/13 山下耕平]
[01/13 M]
[11/21 山下耕平]

QR Code

携帯からもアクセスできます。

AD

PR
Copyright ©  -- なるにわ ぶろぐ --  All Rights Reserved
Design by CriCri  / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]