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なるにわ ぶろぐ

「なにものか」でなくともよい場所、なるにわのブログです。
なるにわの活動、づら研などについて
おもに、コーディネーターの山下耕平が書いてます。

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『ことばち通信』掲載記事

 おせっかいでマッチョなオッサン・オバハンは大きらいだ。たとえば、不登校の子どもに向かって、「学校に来い!」と迫る熱血教師。あるいは、ひきこもっている若い人に向かって「立ち直らせてやる!」とか言って、訓練をさせたがる「自立支援」関係者。何がイヤって、まず生理的にイヤなのだが、一番困るのは、自分自身への問いがないことだ。人に「学校に来い!」っていう前に、イヤがられている自身(学校)のことを省みんかい! 人に自立を説く前に、オマエはそんなに自立しているんか? 第一、自立って何なのか少しでも考えたことあるんか? って、ツッコミどころ満載である。でも、そんなこと言っても、ああいう連中には、まず響かない。なぜなら、彼らは「いいこと」をしているつもりだからだ。そう、「いいこと」をしていると思っている人ほど、気持ちが悪く、タチの悪い連中はいない。
 なぜ、学校に行かないのか。なぜ、働かないのか――それを疑問に思う人は、まず自分に聞いてみてほしい。なぜ自分は学校に行っていたのか。なぜ働いているのか。素直な人なら、そこに無限の問いがあることに気づく。問いがないと思う人は、きっと、気づけないほど奥深く、その問いを押し殺してしまっているんだろう。

 ちょっと考えてみたら、学校にみんなが行くようになったのは、不思議なことだ。生活と働くことと学ぶことが分離していなかった時代は、学校なんて必要なかった。農作業も職人の仕事も、学校でアタマを使って学ぶものではない。だから、学校制度が始まったころは、子どもが学校に行くことに、かなりの人が抵抗したのだ。
 もちろん、学校を通して学べる文化や知識はある。それを否定しているわけではない。私自身、学校で身につけたものがたくさんあるわけで、よかったと思うことだって、いっぱいある。けれども、学ぶことが学校のみに独占されてきたのは、ほんとうは変だ。
 学校のあり方も、ちょっと考えると奇妙に思えてくる。全国各地で、同じ年齢の人たちが、同じ時間、同じ内容の授業を、同じ方向を向いて、9年もそれをくり返す。そういうやり方が合わない人がいるのは、むしろ自然なことだろう。

 働くことについても、変なことはいっぱいある。たとえば「働く」のなかには、家事や育児が入ってなかったりする。それがなければ生活は成り立たないのに。父親のみが働いて、母親が家庭を守るなんていうのは、戦後の一時期の、かなり特殊な家族のあり方だ。それに、「働くこと」=「お金を稼ぐこと」になったのだって、けっこう最近の話だ。一例をあげるなら、働く人に占めるサラリーマンの割合は、今でこそ9割近くだが、戦後すぐには3割ちょっとしかなかった。
 私たちの社会が、お金のみで結びつくようになったことのほうが、ほんとうは変なのだ。そのアブノーマルな状況を、意識はしなくとも、肌で感じとっている若い人はたくさんいる。だとすれば、このアブノーマルな状況に適応できるほうがノーマルなのか、違和感を感じるほうがノーマルなのか。

 私たちは、不登校と関わって、学校に合わない子どもたちが、居場所と感じられるような場をつくってきた。それをフリースクールと呼んでいる。もちろん、フリースクールに合わない子どももいるだろう。すべての子に合う場なんてないのだから。ただ、ハッキリと言えるのは、学校ではおろそかにされていることを、私たちは大事にしている。
 そして、今度は、このアブノーマルな社会に違和感を感じる若い人たちが、居場所と感じられる場をつくろうと思う。そして、その場をベースにして、自分たちが生きる実感を感じられるような、そういう生き方をいっしょに模索していきたい。その場を、私たちはコムニタスと呼ぶことにした。いまは、まだ準備中だ。興味・関心のある人は連絡されたし。
(山下耕平)

◎コムニタス・フォロ準備会
TEL090-8481-7979 E-mail:communitas@foro.jp

〈2006.08.28『ことばち通信』(発行:特定非営利活動法人こえとことばとこころの部屋)第2号掲載〉


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「なにものか」でなくともよい場所、なるにわ(NPO法人フォロが開いてます)。毎週土曜日の午後にサロンを開いているほか、づら研(生きづらさからの当事者研究会/月に1回)、終末ティータイム、冊子『もじにわ』刊行、なるにわラジオ配信などの活動をしています。ブログは、おもにコーディネーターの山下耕平が書いています。

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