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なるにわ ぶろぐ

「なにものか」でなくともよい場所、なるにわのブログです。
なるにわの活動、づら研などについて
おもに、コーディネーターの山下耕平が書いてます。

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ご質問への返信

前回の記事にご質問をいただきました。コメント欄で返すには長くなりそうなので、新しい記事として書かせていただきます。
ご質問内容は下記のとおり。
 
山下さんは、フリースクール(や居場所)が制度的に社会に位置づくこと自体に反対なのでしょうか。あるいは、オルタナティブ教育法の根本思想が問題であるとしたら、どのような思想の制度であればよいと思ってらっしゃいますか。 
私は学習権もさることながら、特に金銭面でフリースクール(や居場所)が制度的に保障されることは必要だと思っています。「人が関係を結べる場であるべき」はずのフリースクールに在籍することにもお金がかかること、あるいはそういう場が良心的な人の努力によって維持されている状況は持続性という意味で問題があります。それは「人とつながる」ことにすら格差が生じてしまうということであるように思えます。 
制度保障は、不登校という「問い」について当事者がしっかりと向き合うためにも、必要なことだと思うのですがいかがでしょうか?
 

私自身、フォロの運営費や自分の収入源を含め、お金の問題にはいつも悩まされ続けているので、切実な問題です。受益者負担でよいのかという葛藤も当然あります。ただ、不登校というのは、そもそも制度から外れた問題のように思うんですね。学校教育という制度から外れ、障害者福祉などからも外れる、簡単には腑分けできない問題。それを教育制度に乗せようとすると、オルタナティブ教育法案のように、教育の成果を主張せざるを得なくなって、成功例をあげつらうようなことになってしまう。福祉として制度に乗せようとすると、障害種別の壁がある。そういうジレンマがあると思います。
 
私は、日本のフリースクールなどに求められてきた役割は“居場所”であって、教育機関としてはそんなに必要とされてないように思います。しかし、“居場所”なんて曖昧模糊としたものを公的に位置づけることは可能なのかどうか。
 
大づかみな妄想を言えば、学校をせめて半分くらいにして教育費を思いっきり縮減して、子どもが教育以外のことに時間も空間もお金も使えるようにするのがよいのだろうなと思います。たとえば子ども手当をもっと拡充して、その費用でフリースペース的なものがあちこちにできるようなことになればいいなあと思ったりします。居場所を制度的に位置づけるというよりも、居場所が自主的に成り立つような制度にするということですね。登校/不登校とか、学校/オルタナティブスクールとか、健常者/障害者という線引きの上に立った制度ではなくて。そうなると、ベーシックインカムの発想に近くなるのかもしれません。
 
3年前に書いた拙著『迷子の時代を生き抜くために』でも、このあたりの考えをある程度整理して書いているつもりなので、もしよろしければお読みください。言葉足らずですが、まずはご返信まで。

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無題

  • by U
  • 2012/03/07(Wed)13:25
  • Edit

お答えいただいてありがとうございました。

ベーシックインカムとなると、それこそ橋下さんの発想とも近くなりますよね。私は現状のままで、ベーシックインカム的に教育費を支給すると、受験産業にお金が流れて成果主義が激化してしようような気がします。

フリースクールなどを求めている子どもは、学校や家庭に居場所のもてない、緊急性が高い人が多いと思います。なので金銭的な事情によって、逃げる自由までが奪われるのはしんどいなという気がするのです。

「不登校は簡単には腑分けできない問題」というのは同意するのですが、それは教育や福祉の問題でもあるということと対立しないように思います。なので、そこで生じている格差は是正されるのが当然だろうと思います。

散漫になりましたが、また思ったことを書いてみました。ご著書も読ませていただきます。ありがとうございました。

無題

  • by 山下耕平
  • 2012/03/07(Wed)17:15
  • Edit
ご懸念、もっともと思います。ベーシックインカムも、諸手をあげて賛成とは言えないですし、危険性もありますよね。私も逃げ場が必要なんだと思ってますが、フリースクールなどを下手に制度化してしまうと、逃げ場にならなくなってしまうとも思うんですね。金銭の問題は悩ましいですが……。また、ご意見ください。ゆっくりお話できる機会などあったらよいですね。
では。

無題

  • by Y・M
  • 2012/03/12(Mon)15:10
  • Edit
いつも楽しく読ませていただいてます。
制度から外れた問題という山下さんの認識に基本的に同意します。

そもそも学校に合わない子ども達に居場所が必要になるということは、学校に対して教科学習の場としての役割以外の事を求めている裏返しであり、そこに無理がありパンクしているのだと思います。

私は、小・中学校はあくまでも“学力”を身に付ける場として割り切り(塾のようなイメージです)国や行政もそこに責任を持つ。もちろん子どもや親もそれを義務として受け入れる。(ややこしいこと言わずに義務として割り切って受け入れてしまうのです)授業は午前中のみで集中して行い、その中で繰り上げや留年があっても良いかと思います。ただし、あくまでも本人の意思によることが前提です。午後からは友達と遊んでも良し、さらに勉強するのも良し、家に籠るのも良し、フリースクールのような民間の居場所に行くのも良し。そして行政は当初、それぞれの地域のニーズに沿った、居場所と成り得るコミュニティの形成を制度保障する。将来的には行政主導ではなく、地域住民から自然に発生するのが理想です。その午後の時間で社会のルールなり人間関係を自然に、あくまでも自然に学べるように工夫する。(学校で学ぶ道徳なんて胡散臭いでしょ?)
こうして学校の役割と、地域や民間の役割をはっきりと分けた方が子どもも親も教師も地域の大人も楽なのでは?と思います。

大人にとって必要な居場所は子どもにとっても必要なはずであって、高齢者や障害者、子どもが交わる空間がたくさん出来れば、介護ストレスも孤独死も障害者差別も保育所不足の問題も解決するのにと甘い妄想を抱きます。
しかしこれを実現するには地域の大人がそれこそNPOを立ち上げ
るといった行動力が必要であって、そこにはやはり金銭面での公的援助は現実的に求められるのかとも思います。

無題

  • by 山下耕平
  • 2012/03/12(Mon)23:00
  • Edit
コメント、ありがとうございます。義務教育を子どもの義務としてしまうとなると、憲法にも関わってくる話ですね。私は、権利としての義務教育という理念そのものは、大事なものだろうなと思います。ただ、学校教育に関しては、割り切ってしまったほうがよいと思っています。そのぶん時間を思いっきり短縮して、いろんな関係の場を、年齢を問わず持てたらよいですよね。そういう割り切りを、私は“部分的に魂を売る”と言っていたりします(笑)。

無題

  • by Y・M
  • 2012/03/14(Wed)01:31
  • Edit
義務については、あくまでも“義務感”として受け入れてしまってはどうか?というものであって、本当に義務にしてしまうと、それこそ息苦しい場でしかなくなると思います。
ほとんどの人は部分的に魂を売るなんて器用なことできずに“擦り減らす”だけで疲れてしまうのでしょうね・・・
あるいはヴェイユのように、小難しく哲学に転換するのも一つの手かもしれないと思ったりします。

ちなみに、留年制度についての尾木ママの態度ですが、「あたしの言ってる意味と全然ちがうじゃないの!」と怒っていたり、「協力できることがあればいつでも力になりますよ^^」と前向きだったり、結局のところ報道機関によってバイアスが掛かっていて気持ちが悪いです。

無題

  • by 山下耕平
  • 2012/03/14(Wed)09:48
  • Edit
学校にしても仕事にしても、多くの人がすり減らされてますよね。

尾木ママについては、私はあまり信用していません。風向きによって態度を変えるようなところがあるんですよね。この問題にかぎらず。まあ、柔軟といえば柔軟なんでしょうけれども。

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「なにものか」でなくともよい場所、なるにわ(NPO法人フォロが開いてます)。毎週土曜日の午後にサロンを開いているほか、づら研(生きづらさからの当事者研究会/月に1回)、終末ティータイム、冊子『もじにわ』刊行、なるにわラジオ配信などの活動をしています。ブログは、おもにコーディネーターの山下耕平が書いています。

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