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なるにわ ぶろぐ

「なにものか」でなくともよい場所、なるにわのブログです。
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ひきこもらずに、生きていけるか!

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2月12日、芹沢俊介さん(評論家)と高岡健さん(精神科医)の対談集会を開いた。
演題は、「ニート」「ひきこもり」「不登校」串刺し対談“ひきこもらずに、生きていけるか!”
世間では、不登校になったら、ひきこもり→ニートになるのではないかと、不安や否定のまなざしで串刺しにしているが、これに対して「ひきこもらずに生きていけるか!」と、徹底して肯定のまなざしで串刺しにして語っていただこうというのが、対談の企画意図だった。



芹沢さんは、自分自身が集団が苦手だったこと、とくに運動会や式など儀式ばったものには恐怖感すら覚えていたこと、息子が不登校だったことなど、ご自身の経験から語りはじめた。いじめについて尋ねると、「いじめは集団の病と言える。不登校が解決になるとはかぎらないが、不登校は集団的身体からの離脱と言える」と語った。
ひきこもりについては、状態像を往路・滞在・復路に分け、往路においてはすみやかに認めること、滞在期は見守ること、復路にいたって、はじめて背中を押したり、手をさしのべることも有効になる、などと語った。
また、「“ある”は“する”に先行しなければならないのに、いまの社会は、すっかり逆転している。何かができないと、“ある”ことが保障されない。条件つきで子どもを認めるような評価の視線が子どもにかぶさっている」と指摘した。
「いつまで待てば?」という質問に対しては、「その質問自体が待っていないことを表している。いつまでなんて、本人にもわからないこと。あずけるしかない」と切り返した。
支援のあり方についても、アイメンタルスクール事件などを引き合いに、「いいことをしているつもりのところが一番こわい。善意の道は地獄に通ずる」と、根本的に問いなおすことを投げかけた。
ニートについては、イギリスから輸入した概念が、日本では個人の問題に変質したこと、行政がひきこもり対策で“引き出し屋”に金をばらまいたものの、ことごとく失敗して、ニート問題にシフトしたことなどを指摘し、「個人の内面にまで踏み込むのは、社会ファシズムだ。ニートは本人の意欲の問題ではない」などと語った。

高岡さんは、いじめや不登校について、「運動会が地獄なのは今も昔も変わらず、いまだに一糸乱れぬ行進をやらせたりしている。第二次産業が主流の時代までは、そういうものも役には立ったが、いまは第三次産業が主流の時代で、学校が社会のあり方になじめていない。いじめの問題を解決するには、いかにがんばらないやり方を文化にできるか、いつでも集団から降りられるようにすることが必要で、学校に縛られる時間を少なくするしかない。不登校は、集団優位の価値観からの撤退と言えるだろう」と語った。
ひきこもりについては、力学的エネルギー保存の法則になぞらえて、「位置エネルギーが最大なのがひきこもりで、理想の生き方だと思う。逆に、運動エネルギーばかりの人はサイアク。だいたいの人は中間のところで生きている」と話しはじめた。そして、「あらゆる人間は、ひきこもらないと生きていけない。対人関係をストップし、自分と対話する時間は、誰にでも必要な時間」「自立支援というとき、自立=直接税を納める人となっているが、間接税=消費は含まれていない。現在の日本では、GNPの半分は消費なのだから、消費も立派な社会参加だ。企業に就職すること=自立というのも、まちがいで、所属は従属でもある。夏目漱石が高等遊民として語っていた問題が、いまや普遍化している」などと話した。
ひきこもりと精神医療の必要性について尋ねると、「早期治療には何の意味もなく、完全にまちがっている。ひきこもりの3分の1に精神障害があると言う人も一部にいるが、抗うつ剤などの市場拡大のために水増し報告されている可能性もあり、きわめて疑わしい。むしろ、不登校の権利をきちんと保障することは、精神障害を抑止する」と語り、「ひきこもっているときに必要な対人関係は“ナナメの関係”で、関わる人は“無用の人”がいい」などと話した。
ニートについては「あくまで雇用労働問題として語るべきで、産業社会、企業のあり方を変えるべき問題なのに、政府や財界は個人の問題と捉えて、失敗する政策しかしていない。政策を打つなら、徹底して福祉予算を若者につぎこむべき。今後の理想としては、終身雇用・企業内労働組合という昔ながらの働き方をする人も3分の1ぐらいはいてもいいが、3分の1はNPOや協同組合で働く人、残り3分の1は週休3日半、そういうふうに、さまざまな働き方が選べて、そのどれも選ばない人も世の中で認められるのが理想の姿」などと語った。
会場からの質疑もひっきりなしで、ギリギリまで時間を延ばして終了した。参加者は180名。とても熱気のある集会だった。
この対談については、後日、テープ起こしをして、まとめたいと思っている。

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お疲れ様です

  • by ワタリ
  • URL
  • 2007/02/14(Wed)16:54
  • Edit
山下さん、フォロのみなさん、お疲れ様でした。

うつと治りかけの胃潰瘍が痛くて半分はボーットした状態で当日話を聞いていました。
帰宅後思いついたのですが、質疑応答の時間がもっと欲しいな、と。
センセがたの話90分、質疑応答90分くらいでよかったんじゃないかと。
それから、休憩時間をもう一回はさんでほしかったなと思います。

今度は誰を呼ぶのかな?
ラ本田透さんなんか呼ぶと面白いと思うんだけど、どうかな?

無題

  • by むかい
  • 2007/02/15(Thu)00:51
  • Edit
宮田くんへ・・・
調子が良いのはわかってるけど

まぁまぁ、そう興奮するな(笑)

無題

  • by むかいさんへ
  • URL
  • 2007/02/18(Sun)18:47
  • Edit
宮田です!
僕のブログでもこういうコメントでも、普段使わない「ワシ」って言ってるし、使う言葉は、「関東」の言葉使うし、普段は会話というものを、まだ「吟味」している状態だから、かなりのギャップがあってかなり驚いたと思う。
でも、コメントは会話じゃないし、
唯一の「はっちゃけ場」なので
ご辛抱を・・・。
会話でこんな表現をしていたら「ダメ」というのは十分、分かっているからご心配なく!

向こうでは「みやすけ」宮田でした!

里中さんへ

  • by おさ
  • 2007/03/15(Thu)07:26
  • Edit
とても印象的な対談でした。企画&ご案内くださってありがとうございました。
さて、『ココナッツ通信』No,95の5頁の対談要約で、芹沢さん引用の言葉が「ウィルコット」と書かれているのは、「ウィニコット」の間違いではないでしょうか?違っていたらごめんなさい。

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補足:亡霊化

  • URL
  • 2007/03/10(Sat)
そうそう、ひとつ前の記事につけたしたい。 ほかにも、フリースクール関係者からの「亡霊化」作業を目撃したことがある。 ある関東のフリースクーラーとメール連絡をしていたときのことだ。 若い世代の労働条件が話題に上った。それで、そのフリースクール主催者はこう述べる。 「今は若い人たちがこき使われてくたくたになっている。だけど、あなたはみんなが偽装請負・派遣で働くからといっていっしょについていってしまってはダメだ」 おおかたこういった内容のメールだった。 しかし実際、もうすでに直接雇用を探しにさがしてもない...

インテリ・サヨクへの呼びかけ

  • URL
  • 2007/10/16(Tue)
「彼らは言う。あんたたちは何も知らないし、遅れている。もっと良い頭に変えたほうがよいね。 彼らは言う。 この世で生まれ変わるような学識のある先生が、 あんたたちをそう言っていると。 この川の両岸に何が見えますか、 先生。 双眼鏡とメガネを出して、 よくご覧なさい。 段々畑には 500種類の花が咲き、 500種類のジャガイモが育っている。 あなたの目に見えないような彼方の あの500種の花が わたしの頭であり わたしの体なのです。」 (ホセ・マリア・アルゲーダスの「学者たちへの呼びかけ」からケチュア語...

窮鳥、懐に入れば猟師も撃たず。されどサヨクは…ある人へのメール

  • URL
  • 2007/11/14(Wed)
最近、赤木智弘さんの議論をきっかけに、昔の知り合いと連絡をとった。 彼はいわゆる平和とか左翼とかいわれる世界の人である。 ただし、彼はメールのなかでわたしに道徳的説教をすることはなかった。 30代半ばで日雇い・派遣であることは告げたものの、それについてあてこすったり、なじったり、嫌みを言ったりしてこなかったのだ。 彼はとても上品な人だ。残念なことに、平和系のなかにこういった人は、経験的に言ってめったにいない。特に上の世代では珍しい。 相手の名前と自分の本名は伏せたうえで、そのメールの自分が書いた部分のみ...

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「なにものか」でなくともよい場所、なるにわ(NPO法人フォロが開いてます)。毎週土曜日の午後にサロンを開いているほか、づら研(生きづらさからの当事者研究会/月に1回)、終末ティータイム、冊子『もじにわ』刊行、なるにわラジオ配信などの活動をしています。ブログは、おもにコーディネーターの山下耕平が書いています。

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