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なるにわ ぶろぐ

「なにものか」でなくともよい場所、なるにわのブログです。
なるにわの活動、づら研などについて
おもに、コーディネーターの山下耕平が書いてます。

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「ままちゃん」=ままならなさの研究/づら研@松江

2月7日、島根県松江市にあるYCスタジオのみなさまと、づら研@松江を開きました。テーマは、「ままちゃん」=ままならなさ、の研究です。

「ままならなさ」という言葉、づら研では、ときどき登場します。今回のづら研では、何かをしたくてもできない状態、身動きがとれないさまを「ままちゃん」と名づけ、研究しました。


◎どんなときに「ままちゃん」を感じる?

・予定に合わせて起きようと思っているのに、起きれない。
・何かを人に紹介したい、知ってほしいと思っているのに、あとひと押しが勧められない。
・家族と話をしているとき。
・親が家族内のトラブルを隠してしまう。
・地方のマイノリティ問題。
・一生懸命、話すほど、疎外されてしまう。


ここで「ままちゃん」には、二通りのケースがあることに気づいた。

ひとつは、自分から何かを発信したいのに、それができないケースで、
もうひとつは家族など、人との関係で、ままちゃんが生じてしまうケースだ。
 

◎どんな「症状」が出る?

・対人恐怖
・落ちこむ
・心臓バクバク、頭はフラフラ。
・息をのみこんでしまう。
・口調がどもってしまう。
・パニクるというより、疲れる。


◎「ままちゃん」がいらしたときの工夫

・キャラクターの着ぐるみを着て、緊張をほどく(はじめての場や人に会うとき)。
・音楽を聴く(イヤホンで)。とくに落ちこんでいるときは、ふだん聴かないヒーリング系の音楽を聴く。
・とにかく身体を動かす。


◎遮断機能としてのままちゃん

「ままちゃん」がくると、身動きがとれなくなるので、それぞれ意識して気分転換をするなど工夫をしていた。そこには、現実からいったん撤退する、強制シャットダウンとも呼べる作用もあることがわかった。

たとえば音楽を聴くのは、「まわりの音を聞きたくないから」という理由があったり、心身に出る症状も、「これ以上はもたないよ」というサインだったり。ままちゃんには、バクハツやがんばりにストップをかけるという一面もあるようだ。


◎初期設定にムリがある?

しかし、「ままちゃん」は関係のなかから生じてくるものでもあるので、個人の工夫で済む問題でもない。こちらが緊張や不安でうまく話せなかったり、泣いてしまったりすると、相手もイライラしてしまい、おたがいに疲れてしまうが、そもそも理路整然と対処できるのであれば、「ままちゃん」がやってきたりはしない。

「言葉のキャッチボールが成立していない。」

父親との対話を、そう表現した参加者の言葉から、おたがいの「これくらいはできて当たり前」という認識、いわば初期設定にズレがあったり、先方の設定にムリがある場合も多いのではないか、という発見があった。


◎設定を更新するには

必要なのは「設定条件」の変更であり、そこからの再出発だ。そこで後半は、おもにどんなふうに設定条件を更新したか、どんな場合だと、更新がむずかしく、ムリが生じてしまうかという話になった。


◎更新を困難にするもの

・「できて当たり前」や「自分の常識」から動かない人、譲らない人は疲れてしまう。
・支援者や専門家の知識や枠組みだけで対応されても困ってしまう。こちらの声を真摯に聴いてほしい。
・エネルギーを使っていることを理解してもらえないとつらい。


◎更新を助ける工夫

・なるべくこちらの事情や困難を伝えるようにする。また、それを理解してくれそうな人から事情を打ち明け、少しずつ理解を広げていく。
・便法としての障害名や病名。それにより、親の「自分の育て方が悪かった」「本人の性格の問題」という考えが変わってきた。

  

◎「ままちゃん」を否定せずに

・「ままちゃん」をダメなもの、いらっしゃるのは悪いことと思っていると、更新はむずかしい。
・できないことを否定されるとつらい。否定されるとますますできなくなる。
・自分の「ままちゃん」を認めることができると、他人の「ままちゃん」も認められるようになる。やさしくなれる。
→でも、これが一番むずかしい……。


◎個人から社会まで

・社会の風潮としても、自分とちがう設定を受けいられなくなっているように感じる。社会のオーダーや初期設定に応えられない人が問題というより、そもそも設定のほうにムリがあるのではないか?
→発達障害や不登校なども、個人のエラーではなく、社会や学校の初期設定のほうにムリがあり、ズレているのでは?
・「ままちゃん」を研究してみると、個人から社会問題にまでつながる問題が見えてきた。答えは簡単にはみつからないが、ちょっと俯瞰して眺めてみたり、客観的な視点を入れることは大事だと思った。(野田彩花)

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「なにものか」でなくともよい場所、なるにわ(NPO法人フォロが開いてます)。毎週土曜日の午後にサロンを開いているほか、づら研(生きづらさからの当事者研究会/月に1回)、終末ティータイム、冊子『もじにわ』刊行、なるにわラジオ配信などの活動をしています。ブログは、おもにコーディネーターの山下耕平が書いています。

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