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「なにものか」でなくともよい場所、なるにわのブログです。
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お産の現場

9月25日、京都のあゆみ助産院にうかがった。あゆみ助産院は、自然分娩でお産のできる助産院だ。いま、産科医の不足が大問題になっているが、もともと、出産は病院にかかるものではなかったはずだ。ちょっと前の世代の人だったら、自宅で産まれた人がほとんどだろう。それは、考えてみたら不思議なことだ。病気でもないのに病院に行くのは、出産くらいではないだろうか? 助産婦の左古かず子さんは、病院での出産が主流になったことに疑問を抱き、1989年にあゆみ助産院を開業した。
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当日は、助産院のなかを見学させていただいたあと、まず、生後4日目の赤ちゃんに会わせていただいた。ほんとうに小さく、何かふわっとした空気に包まれている――。その後、左古さんは、お産について、いろいろ話してくださった。


助産院は、医療機関ではないので、医療行為は行なえない。それだけに、妊婦さんやお腹の赤ちゃんと触れあうことが大事だという。手で触り、お腹のあたたかさ、赤ちゃんの向き、緊張などを感じる。そして、出産に向けて、妊婦さんとともに準備をしていく。しかし、医者の場合、超音波で画像に映った画面ばかりをみて、妊婦のほうを見ないことすらあるという。そこには、データや画像化されたものしかない。それだけではなく、病院で出産する場合、効率や合理性が優先され、赤ちゃんや母体が主体のお産ではないという。
たとえば、自然分娩の場合、出産の80%は満月のときだそうだ。しかも、夜中から朝方にかけて集中する。残り20%は新月か半月のときで、そういうふうに集中してしまっては、病院は対応できない。陣痛促進剤を使って、医者の勤務ペースに出産を合わせる必要がある。産まれるときから自然のペースが許されず、人工管理に置かれているというのは、なんだか寒々とした感じがする。出産には、月の満ち欠けだけではなく、台風や地震が影響することもあるそうで、さまざまなことが影響しあっているそうだ。

お話のあとには、家族立ち会いの分娩シーンをビデオで見させていただいた。夫と子どもが二人、同じ部屋のなかで、陣痛が押したり引いたりするなかを、時間をともにしながら出産を迎える。頭が出て、にゅるっと赤ちゃんが出てきて、手足をひろげながら、精いっぱいの産声をあげる。ビデオではあるけれども、なんだかビリビリと感じるものがあった。ちなみに、自然分娩の場合、分娩台のように上を向いて出産する人は、ほとんどいないそうだ。あの分娩台というのも、医者が取り上げやすくするためのものだとのこと。

左古さんは、出産のときに、妊婦さんが泣いてもわめいても、それが受けいれられるということが、とても大事だと語っていた。自分が受けいれられているという実感を持てれば、子どもを受けいれることもできる。それは、出産だけではなく、その後の子育てにも、大きく影響しているんじゃないか、と話していた。それは、自分の「自然」を受けいれるということでもあるように思う。

ビデオのあとには、当日、出産したばかりの赤ちゃんの胎盤を触らせていただいた。うまく表現できないが、なんだかゾクゾクするような生命の感触があった。左古さんは、羊膜をひろげて見せてくださり、「誰もがこのなかに入っていたのよ」と話していた。

じつは、7歳になる私の子どもも、あゆみ助産院で産まれ、いろいろなことがあった。それは、まちがいなく私の人生観を変える出来事だった。今回、助産院で左古さんのお話をうかがうことができて、7年ぶりに、生命の原点に触れる機会をいただいたように思う。

それにしても、出産する側は人生に何度かのことだろうが、毎日、こういう現場に立ち続けている助産婦さんは、ほんとうにすごい!

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ほんとうに・・::

  • by まちゃおか
  • 2007/10/08(Mon)22:44
  • Edit
赤ちゃんが生まれるのを助ける助産婦さんってすごいなぁ・・・
胎盤がリアルで怖いです。

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「なにものか」でなくともよい場所、なるにわ(NPO法人フォロが開いてます)。毎週土曜日の午後にサロンを開いているほか、づら研(生きづらさからの当事者研究会/月に1回)、終末ティータイム、冊子『もじにわ』刊行、なるにわラジオ配信などの活動をしています。ブログは、おもにコーディネーターの山下耕平が書いています。

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